1/7(木)知識ゼロからのGIGAスクール授業づくり研修
- あべさん
- 2021年1月7日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年2月24日
2021年最初の研究室の活動です。大島先生が「知識ゼロからのGIGAスクール授業づくり」というテーマの研修を小学校の先生方に実施し,阿部と村さんは大島先生のお手伝いをしながら研修を観察しました。今回は研修の概要や観察をしての感想について阿部が書かせていただきます。
「iPadを使ってみる」「iPadを使った授業を考えることができる」の2つの目標と,とにかく楽しみながらiPadを使う「Have fun」を合言葉に,研修がスタートしました。iPadを操作していく中で,分からないことがあったら先生方は近くの人と相談したり,教え合ったりしている姿があり,この学校の子どもたちもこのような学びの姿がたくさんあるのではないかと思い,ワクワクしながら研修を観察することができました。研修では,大きく分けて4つの学習活動がありました。①写真しりとり,②撮影した写真に俳句を書き入れる,③GIGAスクール構想やICTを活用した授業に関する講義,④GarageBandを用いた授業の考案です。以下,4つの学習活動について述べていきます。
①写真しりとり
今回行った写真しりとりは,例えば班のメンバーが「つくえ」をiPadで撮影した場合は,その次に「え」から始まるものを撮影し,しりとりをつなげてゲームです。3人1組の班に分かれて2分間ゲームを行いました。教室の中の様々な物を撮影する班もあれば,班の隊形のままあまり動かないで撮影している班もありました。2分間があっという間に過ぎ,結果発表をしたところ,最も多くしりとりができた班は,班の隊形のままあまり動いていなかった班でした。私は,教室の中の様々な物を撮影していた班の方が多くのしりとりが出来ているのではないかと予想していましたが,実態は違っていました。人は「見たいようにしか見ていない」という大島先生の言葉が胸に刺さる瞬間になりました。自分のバイアスを捨て,学習者をじっくりと観察することが大切であることを改めて実感できました。この活動を見て,写真を撮影して,しりとりをするだけでも協同的な学習が成立すると感じました。学級活動などで取り入れることがICT活用の第一歩になりそうです。
②撮影した写真に俳句を書き入れる
先生方が自分の好きな場所の写真を撮り,その写真に入れる俳句を考えて書き入れる活動をしました。ある先生は雪で見えなくなっている川の場所の写真を撮影し,「ザリガニも雪の真下でお正月」という俳句をつくって,その写真に書き入れました。スクリーンでその写真と俳句を可視化したところ,それを見た周りの先生方が拍手をしていました。可視化は子どもたちの学習意欲を高めたり,他の子どもの手助けにつながったりする点において効果的ではないかと思いました。
その後は班ごとに自分のiPadを見せながら,俳句を紹介し合いました。これも言葉だけで俳句を伝えるとのiPadで自分の作品を提示しながら,俳句の説明するのとでは活動が大きく変わるのではないでしょうか。このように撮影した写真に関わる俳句をつくるという一工夫加えるだけで,子どもたちの思考力や表現力の育成につながったり,教科学習をしていく中で情報活用能力を向上したりできる可能性を感じました。
③ICTを活用した授業とGIGAスクール構想に関する講義
みなさんICTは何の略称であるかご存じでしょうか。Iはinformation,Cはcommunication,Tはtechnologyです。Cのcommunicationに注目してみると,ICTは人と人とを結びつけるものであることが分かります。学校現場でのICTの活用によって,子どもたち同士がよりつながることのできる温かいものになってほしいということが大島先生のメッセージでした。ある学校で休み時間に自由にiPadを使ってよいという環境を設定したところ,場面緘黙の子がiPadのアプリで音楽を作り,その子の周りに友達が寄ってきて,関係が深まったという心温まるエピソードも聞くことができました。子どもたちを結び付けるICTという意識を教師が持つことで,救われる子どもがいるということを覚えておきたいと思います。
またGIGAスクール構想は今までの教育を全否定するのではなく,今まで積み上げられてきた教育の知見とICTをベストミックスさせて試行錯誤を続けていくことが大切であること,ICT推進校でも最初は,子どもたちが写真を撮って,それについてプレゼンをする授業がメインであったが,「こうやって授業でICTを使えば,協同的な学びができるのでは?」という教師の日常的な学び合いから徐々に発展していったことを大島先生は語られていました。ICT機器が学校現場に入ることによって,教師同士の学び合いが促進されることが期待され,ワクワクしてきました(笑)またGIGAスクール構想で1人1台ICTが来たから,これを使って授業をしなければならないという切迫した捉えではなく,今までの授業をよりよくするためのツールとして,必要に応じてICTを使っていくという捉えだと無理なく今後の実践に取り組んでいけるのではないかとも感じました。
④GarageBandを用いた授業の考案
GarageBandはアップルが開発した初心者向けの音楽制作ソフトウェアで,子どもたちも簡単に音楽をつくることができます。実際にiPadでGarageBandを開き,「ガレージバンドを使って,どうすれば授業に使えるかを考える」という課題に30分間全員で取り組みました。さすが現場の先生方で,「ボイスパーカッションをつくる」,「個人でシンフォニーをつくる」,「分担して作曲する」,「音の波形を見る」,「お楽しみ会の曲を自分たちでつくる」など様々なアイディアが出ました。このような学び合いが日常的にできるとすごい実践がたくさん生まれるのではないかと思いました。
今回の研修への参加を通じて,益々ICTを活用した授業にチャレンジしたいという気持ちが強くなりました。また,授業をデザインする時には,周りの先生方や仲間と協力することでよりよいものができると改めて実感できました。新年早々刺激的な機会を頂くことができ,今年はよい年になりような予感がします(笑)
文責 阿部

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