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活動: Blog2

6/3(水)全体ゼミ 加茂勇先生をお招きして

  • j20195547m
  • 2020年6月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年2月24日

本日のゼミはゲストティーチャーに加茂勇先生をお招きしての勉強会。


加茂先生は特別支援教育の専門家で、現在は新潟市の公立小で特別支援学級を担当していらっしゃいます。私たちゼミ生のために、仕事を終えられた後にわざわざ時間を作って下さいました。


加茂先生のお書きになった、コロナ禍の教育現場で見えてきたことについての文章をもとに、ゼミを進めました。


加茂先生の文章の概要は以下の通り。

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 今回のコロナ禍で行事や諸活動が削減されたことによって、特別支援学級の子どもたちは、普段よりも安定した様子でゆったりと過ごすことができていた。そこから見えてきたものは、ある程度の休みを保障することの大切さだ。運動会練習や持久走、縄跳び大会にむけての練習、委員会活動等が停止されたことで、休み時間や放課後に余裕が生まれた。余裕が生まれたのは子どもたちだけではなく、教師たちも同様であった。

 学校は、子どもと教師を、忙しくさせすぎてきたのではないか。あるものを入れることによって、ある力をつけるのだ、というPDCAの考え方が良いものとされているが、それによってイベントや教育支援が増え、結果、休み時間が犠牲になってきた。実は、PDCAが学校同士のアピールの手段になっているのではないか。

 子どもの発達を待つには、休みを保障することが大切なのだ。子どもの休みが奪われていることに気づいてやらねばならなかった。しかしそれが難しいのは、我々教師自身に休みが保障されておらず、他人の休みを奪ってはいけないという人権感覚を持っていないためである。

 今後の不安は、学校活動が再開される中で、授業を進めるということが目的になり、ますます詰め込み教育への動きが強まることである。そして、「ゆっくりと子どもをみる。無理をしない。」という大事なことが消えてしまうことである。

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協議では、加茂先生と学生の質疑応答形式で内容を掘り下げました。


印象に残ったものをいくつか。


・子どもが「自己をいかに作るか」が大事。そのためには子どもが「自分の感情に気づけること」。


・「自己」は「選択」を繰り返すことによって、できる


・「転ばないこと」ではなく「転んでいかに起き上がるか」


・「宿題は、子どもの動機づけを高めるのであれば、出せばよい」


・子どもを「悪いこと」をきっかけにほめてはならない


・子どもの問題行動を「面白いなあ」と思える教師の目線


・「PDCAやゼロ・トレランスの背景としての新自由主義」



など、興味深い話題が尽きることはありませんでした。


我々にとっては、子どもの「発達」という側面を含め、教育を問い直すための貴重な、そして深い学びの機会となりました。


加茂先生のひとつひとつの言葉に、豊富な経験と緻密な専門性、そして子どもの「発達」を心から願うあたたかさがにじみ出ていました。


今日学んだことは、自分の教育観を確実に豊かにしてくれた、という実感が湧いています。


加茂先生、貴重な学びの機会を本当にありがとうございました。


(むらさん)


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