edutabを用いた道徳の模擬授業と大学生を対象としたプログラミング教育の講義
- あべさん
- 2020年10月3日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年2月24日
今週,阿部がedutabを用いた道徳の模擬授業と大学生を対象としたプログラミング教育の講義を行いました。この2つについて紹介をしたいと思います。
①edutabを用いた道徳の模擬授業
edutabとは,iPadを使った協働学習(CSCL: Computer Supported Collaborative Learning)を実現するシステムです。iPadに書いた全員の意見や1人1人が撮影した写真が,電子黒板やスクリーンに一覧表示されたり,背景色を選択して自分の立場や状態などを表明したりする機能があります。edutabを用いて授業を行うことで,多様な意見に触れることができると共に,子どもたちの交流を促すきっかけにもなります。また,発言することが苦手な子でもiPadに文字を書くことを通じて,自分の意見を述べることができます。edutabを用いた学術研究では,様々な成果が報告されているため,1人1台ICTの時代に,主体的・対話的で深い学びを実現する役割を十分に担うと考えています。
道徳の模擬授業では,棟方志功を題材とした学習を行いました。「棟方志功という人物を知っている人はいますか?」と児童役の学生に尋ねて,「はい」の背景色である赤色と「いいえ」の背景色である青色のどちらかを選択してもらいましたが,9人全員が青色の背景を選択していました。棟方志功を半分くらいの人は知っているのではないかと考えていましたが,私の予想と大きく異なりました。edutabを使うと全員の意見が確認しやすく,このような驚きが日々の授業でたくさん出てくる思い,今からワクワクしてしまいます(笑)棟方志功を知らない学習者が多かったため,彼がどういう人物なのかを文章から考えたり,私の方から棟方志功について説明したりする時間を想定よりも多く確保しました。これもedutabを使って,瞬時に学習者の実態を把握できたからできたことだと考えています。児童役の学生からは,書いた意見がスクリーンに一覧表示されたため,多様な視点を得ることが出来たと同時に,集中力が高まったり,授業への参加度が高まったりしたと感想をいただきました。edutabを授業の道具として使うことが,子どもたちによい影響を及ぼす可能性を感じることができました。
一方で,学習者がスクリーンを見て,「○○さんの意見と自分の意見は異なるから話してみたい」というような自由に子どもたち同士が交流する時間を確保することが難しかったため,子ども同士の自由交流を促せるような発問の設定などが今後の課題になりそうです。
②大学生を対象としたプログラミング教育の講義
大学生約20人を対象としたプログラミング教育の講義を行いました。ユーレカ工房さん のmicro:bit,ユーレカIO,電気の利用ユニット,信号機ユニットを教材として,そしてMakeCode上の専用日本語ブロックを使用してプログラムを組みました。micro:bitを用いて,ハートのアイコンを表示させたり,信号機ユニットを実際に点灯させたり,電気の利用ユニットを用いて,明るさに応じてLEDが明るくなったり,消えたりすることを学生と一緒に行いました。約30分の時間をいただいての講義であったので,もっと伝えたいことがありましたが,まずは楽しくプログラミングを体験してもらうことが目的は達成できたと思っています。
受講者からは,「プログラミングが授業に取り入れられることは知っていたが,なかなか大学の授業では学んだり、体験したりすることがないので、とても貴重な経験となった」,「最初は,マイクロビットを点灯させることさえ,難しかったが,プログラムを覚えてしまえば色々とできるようになったので,小学生がプログラム学習をするのに,最適な教材だと感じた」などの感想をいただきました。
一方で,「操作がむずかしいところがあった」,「機器の不具合が起きた場合が大変である」といった意見もいただきました。受講者からの感想や意見から,今後の学校現場での実践を行う時に留意するべきことが見えてきました。
今回のプログラミングの講義を行うにあたって,4人の学生が授業場面でサポートをして下さいました。サポートしてくれた学生がいなければ,円滑に講義が進まなかったため,感謝の思いで一杯です。また学校現場でも初回のプログラミングの授業では,子どもたちが機器の操作に慣れていないため,複数の教員が指導を行うことが必要であるかもしれません。その辺りも今後の検討が求められそうです。
・edutabの詳細は次のリンクから確認できます。https://edutab.jp/
・プログラミング教育やedutabを用いた授業の実践は次の書籍から学ぶことができます。

文責:阿部
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